初診の予約が取れない・心療内科は「急患」を診ることができない

心療内科は初診でもほとんどが要予約です、おそらく家の近所ですぐ受診できるクリニックを見つけられる人は少ないと思います。

つまり苦しいのに今すぐに診てくれるクリニックがない。
やっとの思いで心療内科の受診を決めたのに、一番最初にパニックになる部分だと思います。

以下ただちに診てほしい場合にすべきこと、そしていいお医者様の選びかたについて。

ほとんどの心療内科は初診も「要予約」

心療内科は受診するまでの心理的ハードルがかなり高い、自分もそうでした。
その点に触れる必要があるのですがそれは次回で。あえて緊急度合いの高い内容からご紹介したいと思っています。

苦しくて仕方がない、心療内科に掛かろうとした時
すぐに受診してくれるクリニックを見つけることはかなり難しい。

お調べになるとわかりますが恐らく近隣の心療内科はほとんどが要予約ではないでしょうか。
半月から長いと1ヶ月弱待つ場合もあります。

どうすればいい?・予約不要のメンタルクリニックを探す(遠方でもいい・実はおすすめ)

理由は後述しますが、まずはこの「苦しいのに待つ」という問題への対応です。

結論を先に申し上げますと待ってはいけません。
自覚症状が出るほどならばすぐにも受診する必要があります。そのためには、

  • 予約不要または初診は予約不要の心療内科を探す
  • 家から遠くても上記のクリニックを受診する

この2点でクリニックを選んでください。

体調の悪い今、遠い医者に行くということはとても失望します。

しかし、これが実は「いいクリニック」にめぐりあえる確率が高くなる探しかたなのです。

初診の予約不要をうたう心療内科は治療の質が高い場合が多い。
医師にとって得にならない条件だから。あえてするからにはそれなりの志があります。

遠いことは今のコンディションでは心の重くなることです、私もそうでした。

ただ、これから申し上げるご説明でデメリットを上回るメリットがあることをご理解頂ければと。

なお予約不要であっても事前に電話だけは必ずしてください、完全な飛び込みよりも初診を充実させられます。

うつ病関連でのいいお医者様の条件・「負荷をいとわない」方針(=予約不要)

経験上申し上げられるのは、初診予約不要または予約不要をうたうお医者様に間違いはないということ。

初めて心療内科に行こうと決心するとき、最初に考えることは普通の病気のときと変わりません。

いいお医者様にかかりたい

ただ基準がよくわからない。うつ病関連の医療は外科・内科などの病気と比べ判断のポイントがよくわかりません。

そもそも心療内科にかかる患者は自分の病気のことを人に言いません、他の医者と異なり「あそこはいいお医者さんだよ」という会話自体がないのです。

医師・心理療法士やセラピストにとって一番の関心事は、いかにして患者と信頼関係を築くかということです。どなたも極めて重要な課題とされています。

そのために一人ひとりの患者に割く時間はできる限り長く密度の高いものにしたいと全ての医師が思っています、しかし現実は全く逆です。
患者は増え続け、結果としてひとりあたりに割ける時間は減っている。

そのような条件がありながら、さらに飛び入りの初診を受け入れるには相当の困難が伴います。
医師が自分のプライベートな時間を削り、更には(ここは重要ですが)スタッフに余分の人件費を支払って対応するしかありません。

かかりつけの患者に対する治療水準もキープすることが前提、金銭的な負担も含めてよほどの覚悟がないとできません。
予約制になるのが当たり前なのです。

実際に受診してみて予約不要のクリニックは相当の負担をされていることがわかりました。
いいお医者様だと思います。

そういったお医者様のなかには更に「どうしても辛ければ予約外でも診るから遠慮するな」とおっしゃって下さる方もおられました。

冒頭に遠いか近いかは問題ではないと申し上げた理由でもあります。うつ病の診療は数日おきや毎週ではありません。経過観察が重要でありますので少し落ち着くと恐らく隔週になると思います。
その頻度ならば、むしろ質を優先すべきではないでしょうか。

私も初診予約不要のお医者様に数年間片道1時間以上かけて通いました、間違いはなかったと思っています。

うつ病の診療は対話・だから予約制

改めて、心療内科はなぜすぐ受診できないのか。どうして予約を必要とするほど患者に対応する時間がかかるのか。

私も最初恨めしく思ったことでしたが受診して病状が落ち着いた時にわかりました。

「対話」が検査であり治療だからです。

試験的なレベルでは血液検査等による診断も試みられているものの、脳波を計測する作業も含めて検査による診断は補助的なものです。
心の状態を診るには情報が不足している。

うつ棒について確立された診断方法は「対話」が基本です。

血液やレントゲンなどの検査と違い、ヒアリングによる病状把握は時間がかかり個人差もある。じっくりと話を聴かねばならず長時間に及びやすい。

際限なく飛び入りを受け入れていれば、夜中になっても診療は終わらなくなってしまいます。
今のコロナウイルス治療ではありませんが医療崩壊です。
何より一番大切な

患者に対し治療のスケジュールを立てること

が不可能になります。

実際に二回目以降も予約時間より1時間近く待つのが普通でした。
今は地方への転居に伴い予約制のお医者様にお世話になっていますが、そちらでも30分ぐらいは当たり前です。

もうこの病気も長いので待つことに文句を言う気持ちはありません。
自分が飛び入りで行った時、同じく待たされた人がいたことが分かっているからです。

診療していただき薬を処方してもらえればいいわけです、確実に楽になる。
たかだか1時間待つことなどうつ病の苦しみに比べれば。

「予約不要」は良いお医者様である可能性大・心療内科選びのポイント

あらためて申し上げますが

  1. 予約不要または初診は予約不要の心療内科を選ぶ
  2. 家から近いか遠いかは問題にしないで選ぶ
  3. 初診前に必ず電話をする

です、特に2番は一般的に疑問に思われることでしょうが理由については上記にてご理解いただけたと思います。
うつ病で苦しむ状態で遠方まで移動することは正直つらいです。しかし一番重要な

  • 苦しくて待てない今、すぐに診てくれる
  • 良いお医者様にかかる

というもっとも大切な条件に合います。

もう少し申し上げますと、初診時に予約を半月も待つというのはそれこそおすすめではありません。

半月の間に病勢は確実に進みます。のちの治療期間も高確率で長期化する。

一般的にそれまで全く経験がない方が心療内科にかかりたいと思うとき、それはかなり切羽詰まった状態です。
受診したいと思ったら、もう一日でも待てない状況だと思います。

14年目に入ってわかるのは、うつ病の治療は早ければ早いほどいいということです。
幸いにしてまだ病気になってはいなくともその前段階にあり、それに対し講じる予防的な措置もあります。

いずれも時間との勝負になる状況であり、本来は待った無しです。その点で自覚してから初診まで半月待つ、というのは悪い意味で決定的です。

初診予約不要というクリニック方針がいかに患者にとって貴重かおわかり頂けるかと。

なお初診は予約不要のクリニックに受診後、落ち着いたところで予約制のクリニックに移るという人も多いです。
それはひとつの合理的な選択肢であります。概ね住んでいる地域で探せますし、ある程度ですが診療時間も読めます。

ある程度安定した状態であれば通院時間を優先することのほうがメリットがある場合があります。

心療内科の受診は不調から受診する決心までかなり時間がかかる。しかも予約不要を探さない限り初診まで時間がかかる。
少しでもおかしいと思ったとき、一刻も早く受診して欲しい理由のひとつでもあります。

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