心療内科・初診は何を準備すればいいのか

心療内科の初診は気が重くかなり混乱しています、何をすればいいのか。
何の準備もいりません、行くだけでいい。

いうことはひとつです「苦しくて、もうどうしていいかわからない」、こう訴えるだけです。
初診の時どんな状態であるか、医師はよく理解しています。きちんと対処してもらえます。

初診にすべきことは苦しいと訴えるだけでいい

初診の時、明確にいえることは苦しさと不安で限界に近い状態であるということです。うつ病は自分が苦しいのかどうかすらわからなくなることもあるので、そのときは実感できませんがかなり限界に近くなっています。

そうでなければ「心療内科」「精神科」「メンタルクリニック」といわれる医療機関を訪れようと考えることはありません。受診は決心の要ることです。

そんな状況で説明という論理性を必要とする行為は無理です、混乱し落ち込んでいるのです。私もできなかったと今思います。
やれることはこれしかありません。

「苦しくてもう我慢できない」
「出来ていたことがどんどん出来なくなっていく」
「理由もなく毎日不安」
「理由もなく毎日怖い」
「理由もなく不安で寝られない・うなされる・夜何度も起きる」

どのフレーズでも合うものを一つだけ医師に言ってください。
そして

「先生、もう限界です」

これでおしまいです。
話すべき内容について悩む必要は全くありません。

「何を話したらいいのか」は不要・初診は限界状態と医師は知っている

ここが外科や内科など他の医療科目と違うところですが、メンタルクリニックは特に患者から論理的な病状の説明が聞けるとは思っていません。
論理的とは

腹が痛いのか、熱があるのか、頭が痛いのか、など

こういった内容です。簡単と思われるかもしれませんが、心療内科の初診では泣いてしまう人も珍しくないといわれます。外科や内科では珍しいでしょうから特殊な状況であることは理解できるのではないでしょうか。

心療内科ではこういった説明について特に初診の患者はできないものと考えて対応します。
訪問前に「何を話したらいいのか」という不安があるのですが、全く気にされることはないと申し上げる理由です。

心理的に落ち込み混乱している状況というのは、いってみれば自分自身に関して説明する能力が著しく失われている状態です。

  • 受診した詳しい理由・事情
  • 詳しい今の状況

そんなことを説明できる状態ではありません。

初診では医師はまず患者を落ち着かせる

苦しいという状況をまず落ち着かせ、少しでも安心させること。
私はそういう対応を受けました。のちに何人かの先生からお話を伺うことになりますが皆さん同じことをおっしゃっておられました。
そうしないとより詳しい問診に移ることは不可能だから。

心療内科の医師にとって初診はとても重要だとされます。患者との信頼関係を作ることが重要とされる医療分野ですから、患者を不安にさせてはその後全ての医療行為ができないからです。
初回は大体30分以上、今振り返ると

優しい雰囲気でずっと話を聞いてくれている

そんな感じでした。私はただ「苦しい、どうしていいかわからない」と繰り返していただけのようでしたが。
処方薬は確かサインバルタ(抗うつ薬)と抗不安薬でした。服用すると今より必ず楽になると言われました。

「最初の薬」は厳密に服用・量と時間

今より楽になるとは、全くその通りでした。完全な回復には程遠いものの10日ほどするとそれまでの苦しさから多少改善したのがはっきりわかりました。

ここでそのとき感じたことを正直に申し上げます。

この薬は服まないほうがいいんじゃないか

ということです。メンタル関連の投薬は初めてでもあり薬で気持ちをコントロールしているということが薄気味悪く思えた。
なにか普通でない薬品のようにも感じられました。

これはその後自己判断で量を減らしたときにも思ったことです。少し楽になったために判断力が戻ったということだと思います。

ただそのときお世話になった先生からは次の指示をはっきり受けていました。

薬の量は絶対に指示通りに服用
薬を服むタイミングも指示通りにする(まとめて服まない)

そうしないと良くならない、といった脅しめいたことは心療内科では絶対に言いません。その他の医療科と違うというか。
お願いというか繰り返し伝えるといった指示が続きます。

以前も書いておりますが、14年目の今申し上げられることは医師の処方薬には大きな意味があり患者が判断すべきでないということです。

薬をのみたくない

これはとてもよくわかります、そう願う気持ちも切実に実感できます。
初診時は特に、惨めな気持ちになるのでこの考えになりやすい。

現状が苦しいためもっとなんとかならないか、自分でできることはないかと思ってしまう。
ただ薬についていえば服用をやめると確実に悪くなります。また薬により悪くなることはない。これは一番陥りやすい問題ですので強調させていただきます。

問診は「唯一の検査」・少しづつ正確に伝えられるようになる

問診は一番大事な治療です、一般の病気における「検査」といってもいい。正確・精密なであるほど悪いところを的確に治療できます。
ただ初診からは無理です。誰しもそうですが初めて会った人に自分のことをありのまま伝えることはできません。

2回目以降は少しづつ、人によってはかなり、問診でいろいろ伝えられるようになり治療の質がより向上します。
ただこれは初診の効果がほとんどないということを意味しません。医師は初診で全てを話してくれるとは思っていません。自分のことをあるがまま話すということはそうそう
できない、しかも体調が悪いとわかっているから。
それを見越してしかるべき投薬とアドバイスをしてくれますから心配する必要はありません。

付き添ってもらったほうがいいか

問診についていえば初診は付き添ってもらうべきかどうか、という疑問が出てきます。

結論をいえば付き添いがあってもなくても正解だと思います。あまりにも体調が悪くて上手く伝えられないと思えば付き添いも効果があると思います。

ただひとつ、「あまり多くの人に自分の状況をありのまま伝えることはしたくない」という気持ちがあるなら単独で受診されていいと思います。
上記のとおり医師はそういう条件を多く見ているのできちんと配慮して話を聞いてくれます。

私自身についていえばつきそいはどちらかといえば無いほうがよかった。実際単独で行っています。家族がいると心配させたくないという気持ちが働いて今の悪い部分を正直に話せないような気がするからです。

これはあくまで個人の考えです、付き添いの有無についてどちらも間違いではありません。

いろいろ書きましたが、個人的な経験を述べさせていただきますと初診はたいへんな前進であることを申し上げたい。
悪化に歯止めがかかりかならず好転します。

もし受診を迷っていらっしゃるかたがおられたら、上述のとおり医師はその迷いとおかれた苦しさをよく理解しているということを繰り返させていただきます。

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